オゾン水洗浄式膜分離バイオリアクタにおけるPVDF 膜特性変化

摘要

本報では、オゾン水洗浄式浸漬型MBR のラボスケール試験機で、膜のオゾン水洗浄を繰り返し実施しながら約1 ヶ月間運転し、オゾン水洗浄が膜に与える影響を透水性、および有機物、懸濁物の阻止能の観点から評価した。得られた結論を以下に示す。（１） Gross Flux1.6m/D で運転を行った結果、装置トラブルおよび異物混入時を除いて、2.9 日～6.9 日でTMP5kPa から30kPa まで上昇した。（２） オゾン水濃度C（mgO3/L）と洗浄時間T（min）の積CT（mg/L・min）をおよそ1200mg/L・minとなるようオゾン水洗浄を行ったところ、いずれの洗浄後もTMP は約5kPa まで低下した。これよりオゾン水洗浄によるMBR の高フラックス化が可能と考えられた。（３） オゾン水洗浄を繰り返し、膜モジュールに与えられたCT の累積値が増加するにつれ、膜の透水性指標であるPermeability も高くなり、初期0.3m/D/kPa であったところ、累積CT11740mgO3/L では約2.3 倍の0.7m/D/kPa となった。（４） 試験期間を通してTOC 阻止能、濁度阻止能は安定しており、オゾン水洗浄によってTOC 阻止能、濁度阻止能を維持しながらPermeability を高められることが明らかとなった。