建築設備に係わる適正な更新判断基準に関する研究(第2報）設備機器の部位別故障傾向に関する詳細分析

摘要

建物のライフサイクルの中で，躯体に比べて耐用年数 が短い建築設備は複数回の更新を迎えるが，その更新周 期に関する明確な判断基準は存在しておらず，都度状況 に応じた判断に依存している場合が多い。これまで,設備 機器の部品毎の修理判断基準を策定し，定期点検結果と 部品故障に伴う事業継続への影響度などを勘案し，修理 優先度の判定を行ってきた（図1上)。点検データに基づいた部位毎の詳細分析を通じて，設 備機器を構成する部位に関して故障の傾向がそれぞれ異 なっていることがわかった。経年的による故障傾向が強いものやレベル2の故障を経ずに突発的にレベル3の故 障度数が増加する部位もみられた。また，的に点検し て確認する部位と一定の周期ごとに点検をしていく部位 など，構成部位毎に点検が重要となる時期が異なること が分かった。このことから，点検周期•項目の適正化につ いて，今後検討していく余地があることが示せた。