窯業系サイディング住宅外装材の外力と挙動に関する研究その5 実構造物屋外曝露試験体による凍結融解回数の分析

摘要

近年，住宅においても長寿命化の必要性が高まっており，そのためには，外部環境に直接曝されている外装材料の長期耐久性の確保が必須である．窯業系サイディングは，耐久性に優れた材として我が国の外装材の過半を占めるが，寒冷地における凍害が問題となる．既往の研究は，小片による曝露試験や凍結融解促進試験が主であり，実環境における劣化外力を考慮した耐凍害性の評価が求められている．そこで，本研究では，凍害に影響を及ぼすとされる凍結融解回数および凍結時最低温度に着目し，方位や部位の違いに応じた劣化外力の相違及び，劣化外力との関連を把握することを目的として，実構造物を模した試験体を用いた実構造物屋外暴露試験(以下実大暴露試験)を実施した．