ホウ素系薬剤処理LVL を用いた木質系2 時間耐火部材の開発（その２ 柱の載荷加熱試験）

摘要

その1では、ホウ素系薬剤処理LVLの耐火性能を加熱試験で確認し、木質系2時間耐火部材への適用の可能性を示した。本報では、より現実に近い試験体を用いて行った2時間載荷加熱試験の結果について報告する。試験は、10階建程度の建物の低層部の柱を想定し、応力を負担する中心鋼材をH-300×300×10×15としたものと、さらに高い軸力負担を想定し、中心鋼材をH-498×432×45×70とした二つの試験体で行った。 H形鋼の外側の薬剤処理LVLの厚みはいずれも80mmとし、H形鋼との間に2.5mmのクリアランスを設けた。 H形鋼ウェブ内も含め、使用する木材は全て薬剤処理LVLとした。 H形鋼と被覆木材は、ウェブを貫通する通しボルトで接合されるが、H形鋼のボルト孔は軸方向の長孔とし、応力を負担するH形鋼から被覆木材へ応力伝達が生じないようにした。接着にはレゾルシノール系の接着材を用いた。試験体の全長は3.3mで、試験体の上下はセラミックブランケットによる耐火被覆処理を施した。試験体の諸元を表1に、概念図と断面図を図1に、加熱前の試験体の外観を図2に、それぞれ示す。