微動計測に基づく鉄骨造建物とR C造建物の地域別振動特性

摘要

都市防災研究において、将来発生する被害地震における建築物被害を想定するために地震動特性と建物の応答特性を考慮した被害予測をすべきと考えられる。地震に対する建築物被害は地震動特性だけではなく、建築物の構造種別、建築年代、階高、建物形状、建てられた地域の特性によつて大きく左右される。建物の耐力は建物の材料、形状、保護管理状況、地盤状況、建設年代などいろいろな要素により大きくばらつくので、確実に建物の耐力を推定することは容易ではない。しかし、西日本では21世紀前半に複数の内陸地震や大規模地震の発生が懸念されており、地域ごとの建物群の実耐力(降伏耐力)を何らかの実測結果に基づいて推定し、地域性を考慮して地震被害予測を行うことは大変重要だと考えられる。