1896.8.31陸羽地震の被害に関する文献調査: 秋田県山間部の被害

摘要

本研究では、1896年陸羽地震による被害のうち、秋田県側の山間部における被害について、主に地盤·道路被害に着目して、既往の調査報告並びに当時の新聞記事を追ってみた。被害の特徴をまとめると、①秋田県内で発生した山崩れの被害のほとhどが仙北郡、平鹿郡、雄勝郡で発生し、これら地域に広がっていることがわかった。特に秋田駒ケ岳の麓にある仙北郡生保内村や雄勝郡東成瀬村で多かつた。②液状化により水の噴出が各地で発生し、水田に被害が発生しただけではなく、住宅への被害もあったことが新聞記事から明らかになった。③道路被害に関しては、仙北郡畑屋村の被害が最も多く、地盤亀裂のほか、新聞記事に泥水噴出、山腹数ケ所破壊、稲穂皆埋没など被害が報じられている。