南海トラフ地震により長期浸水した道路の復旧計画の検討: 宿毛市を対象としたケーススタディ

摘要

本研究は，地域の復旧・復興に関わる重要な救援ルートのアクセス性の早期改善を目的とした道路復旧計画を提案するものである．この計画は，長期にわたる被災が想定される各道路の復旧に要する日数を算出し，救援ルートとしての利用頻度に基づき復旧の優先順位を決定するものである．計画を適用する地域は高知県宿毛市とした．宿毛市では，近年発生確率が高まっている南海トラフ地震による市内中心部の長期浸水に対する復旧計画が検討されている．道路啓開計画で示される重要拠点間を救援ルートのOD ペアとして復旧優先順位を決定し既往プロセスと比較した結果，提案する計画は地域全体の道路復旧をバランスよく行えることから，早期に救援ルートのアクセス性を改善できることが確認された．