クレーン構造物および高圧ガス設備における弾塑性領域での耐震設計法に関する考え方

摘要

構造物の耐震設計は，設計対象構造物に対して設計用入力地震動に対する十分な耐力を与え，かつ，応答を低減することが重要となる．また，機械構造物の耐震設計においては，構造健全性を担保するとともに機能維持や圧力バウンダリを確保することが必要となる．このような観点から，従来機械構造物の耐震設計では，構造物の最大変形量が弾性応答範囲に収まるよう設計することを基本としている．しかしながら，近年の大規模地震の発生にともなう設計用入力地震動の増大により，地震の発生確率を考慮した合理的な設計の在り方とともに弾性変形領域を超えた弾塑性領域での機械構造物の限界耐力の考え方が重要となっている．