アイソレーターを用いた光励起の双子型遠赤外レーザーの安定化

摘要

遠赤外レーザーは，核融合プラズマ研究をはじめとする各種研究用光源として幅広く利用されている。NIFS の大型ヘリカル装置(LHD)では，CO_2レーザーで励起する 2 本のレーザー管(プローブ光とローカル光)を有する双子型遠赤外レーザー装置を用いて，波長119 µmのCH_3OHレーザーを光源とするヘテロダイン干渉計により，プラズマの電子密度分布を計測している。LHD の高密度実験時には，この干渉計ではフリンジジャンプを生じることから，より短波長(波長50 µm付近)のレーザーが望まれている。そこで我々は，9R(8)CO_2レーザー励起で2波長同時発振する48-µm， 57-µm CH_3ODレーザーの開発を進めている。この2波長レーザーは，干渉計測で問題となる機械的振動による影響を高精度で補正できるが，励起レーザー光の戻りによるレーザー発振の不安定さが問題になっている。そこで本研究では，両レーザー装置間にアイソレーター設置し，双子型遠赤外レーザーの出力及びビート周波数の安定化を試みた。