裏面反射がフォトニック結晶レーザーの共振特性に与える影響の理論解析

摘要

フォトニック結晶レーザーは、高出力・高ビーム品質の動作が可能な半導体レーザーであり、直接レーザー加工や LiDAR 等の光センシングを含む、様々な次世代応用の光源として期待される。我々は、これまでに、二重格子フォトニック結晶構造を提案し，180°方向の回折に消失性干渉を生じさせて面内の光閉じ込め効果を低減することで、500mΦ デバイスで 10W 級の高出力・高ビーム品質動作（輝度300MWcm~(-2)sr~(-1)）を実現してきた。さらに、極最近、180°回折と 90°回折との消失性干渉をも利用することで、さらなる大面積化が可能となることをも見出し、1mmΦ デバイスでの高出力・高ビーム品質動作の実証にも成功している。今回、このような大面積共振特性に対して、上方への光取り出し向上のために裏面反射構造（分布ブラッグ反射器：DBR）を導入することが与える影響について、理論検討を行ったので報告する。