高粒度位置推定と省電力を実現するためのGPS 内蔵型モバイルIoT 端末の適応的測位手法に関する検討

摘要

視界の悪い交差点や住宅街等において，車や自転車等の高速移動する車両の接近情報を，IoT 端末を用いて近隣の歩行者に共有し警告を発することで事故の低減が可能であると考えられる．このようなシステムでは，一般的にGlobal Positioning System (GPS) による車両の測位周期と無線発信周期を短くする事で高速移動時でも高粒度な位置情報の推定が可能になるが，一方測位周期を短くする事は消費電力の増大に繋がる．したがって，電池容量に制限のあるモバイルIoT 端末においては粒度と電池寿命のトレードオフを解決することが課題となる．本検討では，測位時にGPS モジュールによって算出される移動速度から，適応的に測位周期を変更することで，一定周期で測位を行う場合に比べて，移動時の粒度の向上と電池の延命化が可能な手法の検討を行う．