住宅地内の道路を生活の場とするための研究 その10 十日町市における住宅地内道路の整備プロセス

摘要

近年、道路空間について、各自治体で地域活動等と連携し公共空間としての多様な機能が見直されている。ことに道路空間は、最も身近な公共空間で、使い方を変えることで大きく生活の質を変えることのできる場である。本論文では、第6 回（2015 年）の越後妻有大地の芸術祭（以下 芸術祭）で淺井裕介氏が制作した、「チョマノモリ」という作品の制作過程について整理したものである。芸術祭は、平山前新潟県知事が提唱した「ニューにいがた里創プラン」の事業の一つとして2000 年から始まり、3 年に一度新潟県十日町市周辺で開催されている国際芸術祭で、東京都23 区の1.5 倍程度の地域に、公共施設、民間の土地等様々な空間を利用した屋外アートが制作・展示される。「チョマノモリ」が出品された2015 年は378点の作品が点在し、来場見込み客数は51 万人だった。