日本の気候変動対策－Paris 協定とSDGs を取り巻く関連事項とRisk 回避

摘要

昨年度の大会ではParis 協定目標を達成するGHGs 排出ゼロ目標の大幅削減シナリオについて発表したが、本稿では、Paris 協定目標の達成に向けて気候変動対策とSDGs を含む関連事項との関係、同時に起こり得る様々なRisk について経緯と今後について展望し、同時進行している諸策の相補的な関係を理解する。Paris 協定と脱炭素化：気候変動問題は人類が直面する未曽有の難題であり、Paris 協定では気温上昇1.5°C以内の努力目標は合意されているが、2050 年までに先進国の温室効果ガス（以下GHGs）排出実質ゼロに向けて削減が進hでいるわけではない上に途上国の排出は増え続けている。2015 年12 月のCOP21 で採択されたParis 協定を境に世界は急激に大幅削減へと突き進むことになり、世界の潮流は低炭素から脱炭素へ進展を見せた。