東日本大震災における大規模土地区画整理事業に関する考察: 東日本大震災の復興まちづくりの検証（1）

摘要

本稿では、陸前高田市は、地権者や住民の合意形成なしに区画整理を広域に設定したが、造成方法等をあまり見直さずに進めたことで費用と期間の増大をもたらしたことを指摘した。それに対し、女川町の中心部の大規模区画整理は、地権者と商業・水産加工業関係者の意向を踏まえつつ、都市機能を駅前に集約させる復興戦略の産物であり、事業の見直しや早期完了の工夫により事業費を削減していた。東松島市も見かけ上は規模が大きくても、全面買収・一人施行方式を採用した結果、事業期間を短くすることができ、単位面積当たりの事業費は東北3 県平均を大きく下回ったことを明らかにした。