乳児のための屋外環境整備に関する研究保育施設の施設環境整備の実態について その2

摘要

2 歳未満の子どもに対しては、園庭設置が義務づけられてはいないが、乳児専用園庭の事例調査では、特に1・2歳児において多様な遊びの種類がみられたことから、園庭設置対象となっていない1 歳児についても、積極的な園庭面積の確保が望まれる。年長児とは別に、乳児専用園庭を整備している施設は、約2 割と未だ少ない状況であるが、年長児に妨げられることなく、乳児がのびやかに遊ぶためには、乳児専用園庭の設置も検討されるべきである。園庭づくりにおいては、多くの園が砂場の整備のみに留まっているが、さまざまな自然素材、動植物に触れられる自然遊びのための環境づくりに配慮しつつ、築山やトンネルなど、子どもの成長過程に合わせた動的遊びのための環境を複合的に作り込むことが、多様な遊びを生むうえでは重要と考えられる。園庭では屋外遊びにおける異年齢間の交流も求められていることから、今後は乳児の多様な遊びを担保しつつ、交流も図ることのできる屋外環境づくりについても検討していく必要がある。