東日本大震災の復興施設計画に係わる合意形成に関する研究

摘要

2011 年3 月11 日の東日本大震災では津波によって沿岸の多くのまちが被害を受け、まちの再建のため、各自治体は地域の実状に配慮した復興計画を早期に作成したが、津波の再来を懸念する声や、被災状況の違いにより生じた住民間の溝により議論が膠着するなど、その後のまちづくりに関する合意形成は長い時間を要している。　本研究では、津波被災地においてまちの再建に必要な公共施設の建設に係わる委員会のプロセスを分析することで、合意形成の背後に潜む価値観の違いや対立といったダイナミズムを明らかにし、今後の災害復興における合意形成の一助とすることを目的としている。