既存建築物の減築工事における改修手法に関する研究: 青森県庁舎の減築工事を調査対象に

摘要

日本の地方自治体が保有する公共施設は高度経済成長期に集中的に整備され、現在は老朽化の一途を辿っている。老朽化した施設には適正な維持管理が必要であるが、維持管理や更新には多額の資金が必要になり、地方自治体の財政を圧迫する。そして、修繕や改修の時期が遅れ、重大な欠陥や事故を生み出してしまう。しかし、人口減少や高齢化、人口の流出による地方産業の衰退問題等により現在の地方自治体の資産では全ての公共施設を整備することは厳しい状況である。近年、老朽化した施設を改修するために建物を部分的に削減する減築事例が注目されている。しかし、減築の具体的なの内容についてほとhど知られていないことが現状である。そこで本研究では、青森県庁舎の減築事例を対象に、改修手法に対して調査を行い、現状を把握するとともに今後の課題を検討することを目的とする。