ゴミ置き場の形成に見る地域住民の意識と地域的条件: 東京都葛飾区・足立区・豊島区・中央区を対象として

摘要

ゴミ置き場は、長期的に形態が変化しない建物や道路と比べ、短期的に変化するまちの要素として捉えることができる。ゴミ置き場はまちの景観において、地域住民の意識と地域的条件が反映されやすいものだと考えられる。ゴミ置き場は、共同集積所と戸別集積所の2 つに分類することができる。平成18 年以降、ゴミ置き場の管理は東京都から各区に移行された。今ある共同集積所の多くは平成18 年以前に設置されたものであり、当時は20 ｍ間隔で設置されていた。しかし現在では、住人同士のトラブルが多く共同集積所をつくることが難しくなり、戸別収集化が進hでいる。また、ふれあい収集と呼ばれている、ゴミ出しが困難な人対象の戸別訪問収集も広まっている。戸別収集化は一様なゴミの置き方をしているため、均質的な空間を形成する。そこで、本研究では都市の多様なｺﾞﾐ置き場を調査・分析・比較し、ゴミ置き場からまちの特性を捉えることを目的とする。