祇園甲部歌舞練場本館の構造的特徴

摘要

以上、祇園甲部歌舞練場本館の改修歴と構造的特徴を明らかにし、現状の問題点を提起した。昭和27 年度には大規模な改修が行われ、客席部分は改築されたが、大部分の主要構造は残しながら補強材を追加したもので、改修前および改修後の図面も残されていることから、当初の姿を復原することが可能で、その後の改造も具に見て取れる非常に貴重な建築物と言える。しかし、建物を保存し今後の活用を計るためには、耐震対策を実施し、安全性を確保することが課題となる。