生産者・消費者間連携による木造住宅の生産デザイン南三陸町林業者の事例からみる木造住宅の生産・構法デザイン(1)

摘要

日本における国産材の流通は複雑で、一般に”川下から川上”が見えない状況と言われている。2000 年代頃から地域材利用による住宅が各地で取り組まれ、設計者・工務店・製材業者・林業者等が連携して生産者グループの組織化を図ることで、地域材利用の技術ノウハウを蓄積すると同時に、消費者との結びつきを広げる取り組みが行われている。そうした中、2011 年の東日本大震災により通常の生産ラインがダメージを受け、復興支援という形で新たな生産の仕組みを構築しながら住宅の再建を図ろうとする活動が、被災地域で局所的に取り組まれた。本研究では、設計者の視点に立ち、生産者・消費者の連携体制や生産過程をどのようにデザインし、どのような構法的な工夫を行ったか明らかにすることを試みた。