夏季温暖化適応策における絶対湿度の影響に関する研究: （その１）大阪における暑熱期における絶対湿度等の変動

摘要

梅雨後期，いよいよ暑い夏がきた，と感じることがある．気温は梅雨前期と比較すると高いが，相対湿度は急に増加したわけでもない．本報はこうした疑問から，改めて梅雨入り前から９月末の期間における気象要素の推移を確認したものである．日本は気温の高さとともに湿度の高さが，その暑さをより厳しいものとしているとされる．本報では大阪での暑熱感をもとに，2017 年における湿度環境の変化を追いかけ，その特徴を確認した．一般に「梅雨明け十日」は一年で最も暑さの厳しい時期とされる．温暖化適応策に中で，熱中症等健康被害増加は高い確信度で予想され，その重大性，緊急性ともに高いとされている 1)．本報の目的は，このもっとも暑さの厳しい時期の対策を検討するための基礎的検証を行うことを目的とするものである．