ネパールの世界文化遺産登録都市における町家の外観意匠に関する研究その９ 2016 年から2017 年のバクタプル旧市街北部の山車巡行路沿いの建物更新

摘要

前稿では、バクタプル東部の中心であるタチュパル広場から200m ほど北西のチョチェC h o c h e 通りとボーラチェンBholachen 通り（図１）について、2015 年のネパール・ゴルカ地震後の建物の修理・再建も踏まえ、2016 年10 月時点の町家の外観意匠調査の報告を行った。両通りとも世界文化遺産モニュメントゾーン外だが、主要な祭礼時の山車の巡行路として重要な街路である。本稿では、引き続き両通りで2017 年9 月に行った追跡調査との比較から、１年後の両通りの建替え等の更新状況について報告する。調査は、前稿等で用いた外観意匠調査シートを用いて更新があった町家の外観を記録すると同時に、それを反映する連続立面図の修正に必要な実測を行った。また、一部、更新の背景についても聞き取りを行った。