移動を伴う介護サービスの利用実態からみる利用者属性と時間距離の考察：福岡県大牟田市の介護給付明細データの分析

摘要

日常生活圏域を設定する際の検討すべき要件について移動を伴う介護サービスを対象に、サービス利用パターン、身体状態と利用頻度の関係、サービス種別に置ける時間距離の特徴を分析した。その結果、要介護度や認知症高齢者の自立度といった身体状況とサービスの利用頻度の関係については、通所介護と通所リハでは身体状況に関わらず利用頻度が一定である一方で、訪問介護では要介護度や認知症高齢者の自立度が上がるにつれて利用頻度も上がる傾向が分かった。また、サービス種別における時間距離の特徴では、通い、訪問、泊まりを一括報酬で行う小規模多機能の時間距離が最も短く、約10 分以内の範囲で、従来の居宅サービスよりコンパクトな範囲でサービスを行なっていることが分かった。