既存マンションの専有面積別にみたリフォームに伴う取引価格差に関する実証的研究

摘要

既存マンションのリフォームを実施することによって、当該取引価格を最も高める可能性がある住戸の専有面積は、いずれの都市においても、30 ㎡超～60 ㎡以下となることが示された。また、建築経過年数においては、築後30 年を超過する住戸に対してリフォームを行うことが当該資産価値を高めるうえでは有効であり、30％を超える取引価格差率が見込まれる。このように、リフォームの実施が取引価格に与える影響度を定量的に示し、統計情報として市場に提供することによって、費用対効果を高めるリフォーム投資の進展が期待され、ひいては既存マンションの流通市場の活性化に資すると考えられる。