WELL機能型環境配慮施設の設備計画(第3報)大診療室の省エネルギーと室内環境の両立

摘要

本報では、利用率が異なる歯科ブースが複数存在し、臭気の拡散が問題となる大診療室において、室内環境を保ちつつ省エネルギーに寄与する手法を検討した。患者が動かない歯科ブースの特徴に合わせ、人員の在•不在を判定できる多機能画像センサーにより、照明•空調•換気の制御を行い、必要最小限の運転でエネルギー消費量を抑えられることを示した。CFDを用いた、臭気の拡散シミュレーションでは、エアバランスを考慮し、制気口位置や風量等の設定を行う換気方式について検討した。歯科ブース内を陰圧とし、共用部である通路を陽圧にすることで、臭気の拡散を抑えた効率的な換気が可能であることを示した。今後は冷暖房時を想定したCFD解析により、より実態に近い歯科ブース環境を把握する。また、竣工後は実測により歯科ブース内の環境評価を行う。