建築限界支障判定装置における測定データの信号設備に対する計測距離の精度検証

摘要

鉄道においては，列車運行の安全を確保するために，建造物等が支障してはならない領域として建築限界を定めている。建築限界は，車両の走行や旅客および係員の安全に支障を及ぼすおそれのないよう定期的な測定·管理が必要となっている。そこで我々は，建築限界の測定の低コスト化を目的として，測域センサを用いた建築限界支障判定装置(以下，支障判定装置)を開発している。本システムでは，測域センサを図1のように複数台設置することにより，測定範囲の拡大と，空間分解能の向上を図っている。支障判定装置が測定した値と作業員が手検測用の建築限界測定器(限界チェックマンⅡ)を用いて測定した値の比較において，これまでの検討から車体動揺が誤差の主要因だと分かっている。しかし，誤差要因が複数あるため支障判定装置の精度を正確に検証しづらいという課題がある。そこで，誤差要因を少なくした環境下において，支障判定装置を用いて平面状の設備を検測し，支障判定装置のセンサ自体の誤差が起因する検測距離のばらつきの検討と手検測値との検測誤差の検証を実施したので報告する。