生存時間分析によるレール使用寿命の推定

摘要

本研究では，生存時間分析を用いて鉄道レールに傷が発生する確率の予測を行い，その結果に基づいてレール傷の観点からレールの使用寿命を推定した.具体的には設備管理DBに収録された大規模データを用いてレール有ランク傷が発見されるまでの累積通トンに影響を及ぼす要因についてcox比例ハザードモデルにより推定を行った.さらに推定された基準ハザード関数が累積通トン8億トン以下の範囲においてレイリ一分布に適合したことから，基準ハザード関数をレイリ一分布に近似して条件ごとのレール使用寿命の推定を行った.その結果，熱処理レールの普通レールへの変更によりレールの使用寿命が改善される可能性が示された.