擬似演習者ロボットとの協調演習を可能とするネットワークトラブルシューティング演習システム

摘要

コンピュータネットワークの普及に伴い，ネットワーク技術者の需要が増加している．そのため，ネットワーク技術者の早期育成が求められている．そこで本校では，ネットワーク技術者の育成を目的に，Cisco Networking Academy(以下，CNA)を開講している．CNA の演習の一つとして，ネットワークのトラブルシューティング演習が行われている．トラブルシューティング演習では，ネットワーク機器の情報収集や障害の原因特定，設定の修正を，複数人の学習者が補助や意見の交換をし合いながら行う協調演習という演習形態を導入している．協調演習では，話し手と聞き手の役割を交互に入れ替えることで，学習者同士の建設的相互作用が生じる．これにより，学習者は新たな考えや知識の獲得に至り，学習効果が向上する．しかし，性格の違いなど個人の特性の違いにより，学習者が話し手と聞き手の役割を交互に担うことは難しく，建設的相互作用が生じない可能性がある．