マイクロストリップ線路のグラウンドにスリットを設けたバランの広帯域化に関する解析的検討

摘要

近年，無線通信機器の急速な発展に伴い，小型かつ単純な構造で広帯域に動作するバランが要求されている[1]．我々は今までに，マイクロストリップ線路のグラウンドに2 本のスリットを設けた小型かつ単純な構造のバランを提案しており，実測によりその有効性を確認している[2]．しかし，バランの平衡度の指標であるコモンモード除去比(CMRR) が希望帯域内で急激に低下する周波数が存在し，狭帯域であるという問題がある．そこで本稿ではCMRR の急激な減少を抑制し，バランの広帯域化について検討した．