付着割裂条件下におけるコンクリート中の腐食鉄筋の付着特性

摘要

RC 単純桁部材の端部は軸方向鉄筋の定着部に相当するが，接合部から凍結防止剤などの腐食因子が供給されることにより腐食が著しくなることが多く，鉄筋の定着性能が低下し，定着部で付着割裂破壊のような脆性的な破壊が生じる恐れがある．しかし，腐食した鉄筋が引張を受ける際の周囲のコンクリートが引張応力下にあり，かつ付着割裂を生じるような条件下での付着試験が多くないのが現状である．そこで本研究では，鉄筋に腐食を発生させた付着割裂型の供試体に対して引抜試験を行い，鉄筋の付着挙動を検討するとともに，腐食鉄筋の局所における付着応力―すべり関係のモデル化を検討することを目的とした．