ジオグリッドの耐衝撃性能について

摘要

高速道路においてジオグリッド補強土壁を構築する場合は，前以って実際に施工する現場条件でジオグリッドの耐衝撃性試験（以下、試験と称す）を実施し，設計で想定された引張強度への影響について確認する．道路土工構造物は，不確実性を多く有する構造物であることから現場条件を考慮し，実状を把握する手法は適切な構造物を構築する上で重要と考えられる．一方，既往の試験では，設計で想定された引張強度を下回る場合は限定的であり，殆どの現場では試験結果を設計にフィードバックさせていない．この試験は平成24 年に基準化されており，その後の試験結果が蓄積されている。そこで，当論文では既往の試験結果を整理すると共に，引張強度へ及ぼす影響が考えられる盛土材や施工機械等の関連性を把握し，耐衝撃性に与える現場条件を示すものである。