自治体による避難情報提供システムの開発に関する研究

摘要

従来、洪水時における住民の避難率は低かった。その理由の一つに特性の類似した地域に、客観的な状況把握に基づく避難勧告・指示が的確に行われなかったことがある。加えて、平成の大合併により市町村の管轄区域が広くなり、職員の対応が困難になったことも影響している。また、住民が迅速かつ的確な避難を行うには、市町村職員が現地情報の把握や氾濫状況を客観的に判断して、いつ、どのように情報提供するかが重要である。今までは降雨量や洪水位に基づいて判断されていたが、本研究のシステムでは地域特性、氾濫後の氾濫流の状況についても考慮している。また今回は、個人向け 1）、自治体向けの中でも、自治体が各地域に適切な避難情報を提供するためのシステムを提案する。