災害時の避難および避難行動などに関する学生アンケートによる実態調査

摘要

平成30年7月豪雨では，1府10県に大雨特別警報が発表され，多数の死者・行方不明者を伴う大被害をもたらした．災害対策基本法において，避難勧告等の避難情報を発令する権限が市町村長に与えられているが，かねてから適切なタイミングで適当な対象地域に発令すること，住民へ迅速確実に伝達することなどの課題があった．これらに対応するために，内閣府は平成17年3月に「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」1)を策定した．その後，ガイドラインは2回改定され，避難勧告等の判断基準の明確化，住民に避難行動を認識してもらうための仕組みの提案，避難情報の名称変更（例えば，「避難指示」を「避難指示（緊急）」に変更）等がなされ，課題の解決に向けた取り組みが行われてきた．