新柳渕橋の高耐久ＲＣ床版について その２（現場施工）

摘要

新柳渕橋は鋼2 径間連続非合成箱桁橋であり，復興道路事業 三陸沿岸道路「尾肝要普代道路」の内，国道45 号と普代川を跨ぐ橋である．跨道となる床版部は，はく落防止用の短繊維を混入した標準的なコンクリート配合（24-8-25N：空気量4.5％、短繊維）となっていた．当該地域の凍害区分は「種別A」であるが，ポンプ圧送高さ20ｍ以上の施工による空気量の低下と凍結抑制剤散布によるRC 床版の複合劣化（凍害，塩害，ASR，疲労）が懸念された．そのため，長期的な劣化抑制と耐久性確保を目的とする多重防護の考え方を適用し，壁高欄を含む上部工全ての部位に凍害区分「種別S」相当のコンクリート配合（27-15-25BB：空気量6％，W/B＝45％以下，膨張材，短繊維）を使用することとした。本稿では試験施工までの課題，寒中養生対策を踏まえた現場施工について報告する．