単一光子検出型撮像方式における画像再構成のための動きぼけ抑制処理

摘要

単一光子検出型イメージセンサを用いた撮像では，受光素子毎の光子の入射有無を表すbit-plane画像を時系列的に複数枚取得し，統計的な再構成処理により多値画像を得る.動被写体が存在する場合には，通常のイメージセンサによって取得した画像と同様な動きぼけが生じる.我々が既に提案した手法では，動き推定に基づき動きぼけ抑制することができるが，等速の動被写体を仮定しているため，速度変化する動被写体に対して動きぼけ抑制の精度が低下する.これに対して提案手法では，動きを時間的に密に推定して動きぼけ抑制の精度を向上させる.具体的には，多値画像再構成に使用するbit-plane画像枚数に比べて少ない枚数のbit-plane画像から被写体の形と位置を推定する中間画像を生成し，その画像間でテンプレートマッチングを行う.これにより，速度変化する動被写体に対して動きぼけ抑制の精度が向上した.