信号設備収容箱における箱内温湿度の設置距離相関性調査

摘要

屋外で使用される電子機器の寿命推定において，寿命推定精度を高める上で実環境の温湿度計測が必要である。計測にはセンサが必要となるが，センサ導入コスト。管理コスト，また収集コストが課題になるため，センサ削減のための手法として，代表計測点からの近隣環境の温湿度推定手法を提案した。近隣環境の温湿度推定のため，近隣の電子機器収容箱の温湿度の関係性について調査を行った。収容箱は，踏切毎に設けられている器具箱と制御子箱を対象とし，各段にセンサを設けることで確認を行った。その結果，器具箱では箱内温湿度環境の類似性が低いが，制御子箱は類似性が高いことが確認された。また距離に応じた箱内温湿度環境の相関性は，各箱とも確認されなかったが，距離によらずに一定の関係性が箱ごとにあることを示した。また，天候による比較も行い，雨の場合に各箱で類似性や相関性が高くなることを確認し，相関性による温湿度推定に適した条件であることを示した。より精度の高い温湿度推定を行う上では，雨の条件に近い夜間帯の状態を調査することが有効と考えられ，時間帯別の相関性の調査が求められる。CBMに向けた本調査の位置づけを示し，様々な地域や長距離に対して比較を行うことで，相関性を明らかにしていくことが期待される。今後は距離と箱内温湿度環境の相関性について更なる調査を行う予定である。