十和田石の加工廃材がミニトマト栽培の収量、土壌微生物及び土壌化学性に与える影響評価

摘要

十和田石は複数のミネラノレ（SiO_2 72.1%, AI_2O_3 12.7 %, Na_2O 4.10 %, Fe_2O_3 3.23 %, K_2O 2.30 %, CaO 1.30 %, MgO 1.00%,TiO_2 0.49%)を含む多孔質資材で，主に建設石材と して使用される緑色凝灰岩である。一般的に石材の加工時 に生じる石粒や石粉は濁水処理され，脱水ケーキとして排 出されており，大半は現場埋戻しゃ最終処分場で埋め立て られているが，十和田石は土壌に施用することで植物や土 壌微生物へのミネラル供給と細孔への微生物の定着が期 待されることから石粒や石粉などの加工廃材は土壤改良 資材として利用されている。しかし，十和田石を農作物栽 培土壌に施用した際の経時的な土壌微生物群集構造の変 化と土壤化学性を評価した例は少なく，十和田石施用の効 果は明らかになつていない点が多い。本研究では十和田石 の施用が農作物の栽培に与える影響の評価を目的として， 十和田石の加工廃材を施用してミニトマトを栽培し，収量， 土壌微生物及び土壤化学性の評価を行った。