ガス絶縁変圧器巻線の絶縁要素モデルにおける非標準雷波形に対する絶縁特性

摘要

本研究では，ガス絶縁変圧器の仕様合理化を目指し，変圧器セクション間を模擬した絶縁要素モデルを用いて，0.9 MHz, 4.2 MHzの振動波形に対する絶縁特性を取得した。実験結果の50%破壊電圧より，非標準雷波形の最大値でガス絶縁変圧器の試験電圧を定めた場合，セクション間に関しては，絶縁仕様として過剰になる可能性が示された。したがって，非標準雷波形評価法により，絶縁仕様の合理化が可能な見通しとなる。また，波形評価により得られる絶縁低減効果はGISに近い特性を持つと推定された。今後は，周波数の異なる振動波形に対する絶縁破壊試験データを拡充し，波形評価に用いる閾値の設定と波形評価式の提案を行っていく予定である。