北陸地域におけるドィッPHI認定住宅の環境性能に関する研究 (第11報） 床下エアコンの運転方法による省エネルギー効果

摘要

本報では、PHI (The Passive House Institute in Germany)の基準に沿つて建てられた、前沢パッシブハゥスについて、床下に設けられた用エアコンの運用方法とそのエネルギー消費性能、室内環境の評価を行う。前沢パッシブハウスは、U_A値=0.19[W/m~2]の断熱性能で計画され、暖冷房は建物全体に対してそれぞれ1台のエアコンで24時間の連続暖冷房を想定している。暖房は床下空間に設置した用エアコン(暖房能力3.6kW)によって行われ、床からの伝熱および居室周囲とリビング中央に設けられたスリツ卜から建物全体が暖房されるように計画されている。また床下空間はコンクリ一ト基礎が外断熱で囲われており、床下空間の高い蓄熱性によって室温の安定化が図られた。これまでの実驗からは、MPHのエネルギー消費性能および室内環境の均一性、安定性について明らかにされる~(参1)とともに、高い蓄熱性を有する建物での問題も示された。特に、暖房機が床下の安定した空間に置かれていること力ヽら、室内環境の変化にる運転の連動に時間を要する。このため、低負荷運転時間が増えることによるエネルギー消費の増加や、オーバーヒートなど短時間での負荷発生時の室内環境維持に問題が考えられる。そこで本邦では、MPHの暖房手法において、運転(時間•設定溫度)と床下空間と居室との気流調整を行い、ェネルギー消費と室内環境の変化、最適化の検討を行つた。