WPT (Wireless power transfer)システムは,その利便性の高さから電気自動車や電子機器などへの適用が泮目されている.中でも磁界共振結合方式は従来の電磁誘導方式に比べて人電力を伝送可能で,長距離でも効率低下が少ないといった特徴から,次世代の無線電力伝送システムへの応用が期待されている.WPTシステムでは,送電コィルと受電コィルの位置関係の変化によるコィル間の結合係数の変化や負荷状態の変化といったパラメータ変動により,電力伝送効率の人きな低下や出力電圧の変化といった問題があり,システムの受電側にDC-DCコンバータを取り付けることによって出力電圧の調整ゃィンピーダンス変換を行うのが一般的である.しかし,DC-DCコンバータの制御を行う場合,双線形性と呼ばれる非線形性があり,線形制御系では制御が難しいことが知られている.先行研究ではDC-DCコンバータに降圧コンバータを用いたWPTシステムに対して,オペレータ理論により安定性を保証し,追従補償器としてスライディングモード制御器を用いた制御系が提案されている.改良した制御系として,インテグラルスライディングモード制御により定常偏差の低減を図った制御系があるが,人きなチヤタリングが発生するといつた問題がある.また,ターミナルスライディングモード制御におけるチヤタリングを抑制する手法も提案されているが,定常偏差の低減は保証されていない.
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