N-5最初沈殿池+ウキクサ亜科植物培養槽+DHSリアクターを用いた下水処理およびバイオマス生産のオンサイト実証実験

摘要

途上国では未処理下水の河川等への直接放流に起因する水域汚染および感染症が猛威を揮っており，運転電力や技術など現地の状況に適した下水処理システム開発への要求は高い.そこで我々は新たなシステムとして最初沈殿池とゥキクサ亜科植物培養槽，DHSリアクターを組み合わせたエネルギー自立型下水処理システムの開発を進めている.安定したバイオマス収量や水質の確保のために実際の運用環境における知見は必須だが、屋外環境で実下水を用いた研究は少ない。本研究では下水処理場の屋外に矩形培養槽およびDHSリアクターを設置，下水処理場の最初沈殿池越流水を供与させてウキクサ亜科植物の培養および水質浄化に関する連続実験を行った.バイォマス生成速度は乾燥重量換算で最大24.9 ton/ha/yearであり，一連のフローにおいて有機物除去は活性汚泥法と同程度まで，大腸菌群は10~4～10~5 CFU/100mLまで処理できた.また季節による環境要因の変動と併せてシステムの総合的な解析を行った.