EBSD法を用いたボルト締結めねじ谷底部のひずみ評価の検討

摘要

自動車の二酸化炭素排出量の規制強化が加速されてきている.そのため自動車メーカーは，有効な対策の一つとして燃費向上に繋がる車体の軽量化に取り組hでいる.抜本的な軽量化を狙って，従来の鋼板製車体のような単一材料ではなく，各種構造材料の特徴を生かした適材適所の材料配置（マルチマテリアル車体）の研究が進められている.また，実際に鋼板からアルミニウム合金や繊維強化複合樹脂などに代表される軽量材への材料置換が行われている.今後，マルチマテリアル化が進展するには，これらの異種材を接合する技術が重要となるため，SPRやFDS等の新技術の開発や，溶接やボルト締結等の既存技術の進化が進められている.中でもボルト締結は市場でのリぺア性を考慮すると必須の技術である.しかしながら，新材料を使用する上ではクリープに代表される経時劣化の定量化と抑制手法の開発が急務となっている.現在，マクロなボルト全体の塑性変形量を測定しているが，ミクロな変形量(ねじ山1個）を測定することができれば，さらに効率の良い開発につながると期待される.