FDTD法によるミリ波帯入体全身SAR評価に関する基礎検討

摘要

電波に対する国際ガイドラインでは，全身ばく露に対する安全性の指標として全身平均SAR (Specific Absorption Rate [W/kg])を用いている.現在，国際ガイドラインは改定中であり，ICNIRPでは，全身平均SARの適用上限周波数が10GHzから300GHzに拡大される予定である.このー因として，十分なデータがないため，安全側のアプローチがとられていることによる.工学的見地からは，数値人体モデルにおける皮膚のモデル化の信頼性から，外部電磁界と体内誘導SARの関係が十分に議論されていない.本稿では，ポリゴンモデルを介することで従来の数値人体モデルを任意の皮膚厚みを持つ高解像度モデルに改良し，全身平均SARに皮膚厚みが与える影響について示した.