谷津干潟に生息する二枚貝(外来種·在来種)の貧酸素耐性および水質浄化ポテンシャルの比較解析

摘要

谷津干潟は埋め立てにより東京湾の最奥部に残された人工的自然干潟であり、夏季に恒常的に赤潮·青潮が発生し、貧酸素水塊が生じるなど、生物の生息環境としては好ましくない状態にある。ラムサール条約登録後30年が經過する力が、近年は干潟内にァォサ(Ulva spp.)が繁茂し、現在はほぼ一年中干潟全域がァォサに覆われてしまっている。アオサの異常繁茂により底質が嫌気化し、アサリゃゴカイなどの底生動物が消滅すると、それらを採餌するシギ·チドリをはじめとする渡り鳥が飛来しなくなり、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約であるラムサール条約の登録湿地としての存在意義が失われることとなる。また、H7～H25の環難、による底生生物調査結果では、在来種であるアサリ(Ruditapes philippinaruni)の生息範囲が減少し、外来種であるホンビノス(Mercenaria mercenaria)の生息範囲が増加していることが報告されている。本研究では、これらの二枚貝の水質環境耐性を比較し、生態学的特性の違レ、による種遷移を明らかにすること、および、藻類除去能力から谷津干潟の水質浄化への寄与にっいて検討することを目的とした。