学術論文からの熱電特性の自動抽出

摘要

熱電材料の効率的な研究開発には，過去の研究における実験データを収集し，データべース化することが有効である.例えば，Kumagaiらの研究やGaultoisらの研究では，論文に含まれる図から熱電材料や物性値を人手で収集してデータベース化している.しかしながら，日々出版される論文数は膨大であり，網羅的なデータベースを人手で構築?管理するには膨大な時間と手間を要する.そのため，情報科学を活用して論文に含まれる実験データを自動収集することが望まれる.同様の試みはいくつか存在するが，誰でも手軽に熱電特性の自動抽出を行えるツールが整備されている状況とは言い難い.そこで本研究では，自然言語処理技術を用いて，論文アブストラクトに書かれている熱電物質名，物性値，熱電性能指数を自動抽出することを試みる.