空孔欠陥を含むカーボンナノチユーブへのパラジウム吸着による熱電特性効果

摘要

カーボンナノチューブ（CNT)は高い電気伝導率とゼーべック係数に加え、機械的に柔軟であることからフレキシブルな熱電材料として期待されている。実際に、精製されたCNT薄膜は高い熱電特性を示すことが報告されているが、大量生産可能で安価なSG-CNT (スバーグロースSNT)には構造欠陥が多数存在するため電気伝導率が低く、パワーファクター(PF)も高純度のCNTよりも低いことが知られている。本研究では、SG-CNTのPFを向上させるために、パラジウムをSG-CNTに吸着させる方法を提案し、第一原理シミュレーションによってPFを計算する。