プログラム実行環境移送のための資源追跡機能のユーザレベルでの実現

摘要

近年の多くのクラウドコンピューティングは広域分散システムによって実現されている．このようなシステム形態において，負荷の分散や計算機のメンテナンスのために，別の計算機へ実行環境を移動させ再配置することが頻繁に行われる．そのため，クラウドコンピューティングでは応用プログラム(以下AP と呼ぶ)と実行環境を移送する技術が重要となっている．移送するための技術として提案されている手法として，移送するAP と使用している資源および，同じ資源を共有しているAP を特定・追跡する技術が提案されている[1]．しかし，この技術ではカーネルの修正が必要であり，OS のアップデートなどへの対応が困難となる．また，追跡対象となる資源が増加すると，追跡時間が増大する問題もある．