アルミニウム合金（A7N01）のフレッティング疲労特性に及ぼサバニシング加工の影響

摘要

アルミニウム合金は軽量かつ高強度であり，再利用が容易であることから自動車，オートバイなどの疲労を受ける摺動部や締結部にも採用されている．このような箇所では微小な相対すべりを生じる場合があり，疲労に対する信頼性確保のためには通常疲労特性のみならずフレツティング疲労特性についても調査する必要がある．フレッティングによる疲労強度低下の防止策としては，応力集中を軽減するための形状変更，ショットピーニングや固体潤滑被膜処理などの表面処理も検討されている．著者らはこれまでに固体潤滑被膜処理を施した場合のフレッティング疲労試験を繰返し周波数10Hzで行い，高応力レベルではかなり有効であるが低応力レベルでは徐々に低下することを明らかにした．さらに，近年では部材などに高速度で力が作用することもあるため，繰返し数10~7回を越える疲労試験の検討も要求される．