レーザピーニングによるニッケル基合金の応力腐食割れ抑制効果

摘要

商用軽水炉の応力腐食割れ(SCC)に対する予防保全対策として、パルス状レーザ照射による応力改善技術（レーザピーニング）の開発を行っている。これまで、オーステナイト系ステンレス鋼に対する効果、応力腐食割れ対策としての有効性を確認しているが、軽水炉圧力容器廻りにはニッケル基合金製の機器が多く、そのような機器への予防保全対策が求められている。今回、インコネル600等のニッケル基合金およびその溶接金属に対する応力改善効果を確認し、さらに、応力改善効果に対する施工パラメータ（スポット径、パルスエネルギー、照射回数）の影響を定量的に評価した。また、沸騰水型原子炉の炉内模擬水質中における応力腐食割れ試験を実施し、応力腐食割れ発生を確実に防止できることを明らかにしたので報告する。