連続処理装置による紙ごみの2段発酵処理システムの性能胖価

摘要

紙ごみは、日本国内で年間2700万トン発生しており、 家畜糞尿、下水汚泥に次ぐ3番目のバイオマス系廃棄物 の発生源となっている。紙ごみは約80%が古紙として 回収され再利用されているが、残りの約20%は焼却処分 されている。特にオフィスから排出されるOA紙シユレ ッダ屑は機密性の確保、繊維が裁断されている等の理由 で再生しにくいことから、焼却処分される場合が多い。本研究では、焼却されている紙ごみをバイオマス資源 とみなし、図1のクロストリジゥム.セルロボランス（以 下C.セルロボランス）を利用した2段発酵システムによ りバイオガスをエネルギーとして回収する方法を検討し た。本システムは、紙を低級脂肪酸まで分解する1段目 発酵槽と、低級脂肪酸をバイオガスまで変換する2段目 発酵槽で構成される。本システムの有効性およびバイオ ガス変換性能を評価するために、連続試験を実施した。 また、OA紙以外の紙との同時処理も視野にいれ、種々の 紙ごみに対するC.セルロボランスの分解性能についても 評価した。本稿では、これらの評価結果に基づき、本シ ステムのエネルギー変換有効性を示す。